士官候補生へ |
只今の時刻22:25
ゆっくり休むがよい。
深い眠りにつけばよい。
また明日から、日常という戦場に立つ。
稽古の厳しさは、日常よりずっとずっと生易しい。
どんな罵声でも叱責でも、本物のお客様に言われるよりはずっと甘いのだ。
君たちは、それを知っている。
だからといって、君たちが不謹慎な稽古をしているとは言わない。
真面目に取り組み、多くのことを得ようとしている。
もう一度言おう。君たちは、いつも真剣だ。教官として、優秀な生徒を持つことは、誇りである。
だからこそ、日常の中で学びを活かしてほしい。
いや、願望ではなく、そうしなければならない。
そして自分の力に変えていくのだ。かけがえのない財産にしていくのだ。
選ばれたものだからこそ、そうあるべきだ。そしてそれが使命なのだ。
やがて君たちは、小さな私を超えていく。
その日が来るのを心待ちにしている。
それが一日も早いことを切望している。
特別な場所ではなく、特別な舞台でもなく・・・ありきたりのなかで、当たり前の中で、君たちの実力が発揮されることを願ってやまない。
この身が朽ちるのは、遠くない。
この意識が消失するのも、いつかではない。
確実にそれらは、足音を立てて近づいている。
その先、できることはなくなるが、その日が来るまでに自身の力で学びを深めて体得しておくように・・・・・
悔いのない一日をどれだけ生きていくことができるか・・・・・それこそが生き様てある。